
地盤変動計とは
ピナクル社の「Tiltmeter」に代表される「高精度傾斜計」は地表下10mに設置して、地下深部の変動(挙動)を傾きの変化として、連続的に検知するために開発された計測器です。
この「高精度傾斜計」は、ナノラジアン(10-9)単位で、地下深部地質構造内へ注水した、あるいは、揚水したことにより生ずる深部地下水の動きをモニタリングすることが可能です。
「傾斜計」は古くより、地すべり地で用いられてきています。この「傾斜計」は孔内のパイプの変形住置を「地すべり面」として特定するものであり、「Tiltmeter」は、その設置住置の地下深部の地下水の挙動を捉えるもので、「傾斜計」とは原理も精度も測定対象も全く異なっています。当社では、この「Tiltmeter」を「地盤変動計」と呼ぶことにしてます。
地盤変動計の原理
- 傾斜センサーは、気泡と電解質溶液と3つの電極からなる気泡式を採用しており、傾斜変化を電気的に検出します。
- 直交する2つのセンサーから得られた傾きによりX-Y平面内の傾斜を計測します。
|
 |
地盤変動計の仕様
| 測定精度 |
1n rad(ナノラジアン) |
| 測定範囲 |
垂直から±10°以内 |
| ゲインレベル |
3段階(10-9、10-8、10-7rad) |
| データ記憶容量 |
512kb(164×512ポイント)
⇒1分間隔で約60日分のデータを保存 |
| サンプリング |
1~255秒まで1秒間隔で可変 |
| データ保存 |
内部A/D変換保存 |
| 方位測定 |
磁気コンパス |
| サイズ |
径64mm×長さ1070mm |
| 重量 |
4kg |
| 平均消費電力 |
360mW |
| 動作温度 |
-40℃~85℃ |
|
 |
地盤変動計の測定概念
地盤変動計は、地下で発生した体積歪みを地表部における傾斜として検知します。地下に発生した歪みは、大きさや形状を変化させながら地表に伝わります。

地盤変動計の設置方法
地盤変動計の設置方法は、ピナクル社の方法によります。
 |
- 12mのボーリング孔(孔径150mm)を掘削します。
- 孔内に塩ビパイプ(インナーパイプ)を挿入し、孔底から上方11mはセメントで、上部1m(アウターパイプ含む)は地表の振動を伝えないよう土で固定します。
- インナーパイプの底に珪砂を30mm程度敷き、地盤変動計を挿入します。その後固定のため底から700mm程度まで珪砂を詰めます。
- 地盤変動計にバッテリー、太陽電池をつなぎ電源とします。その後ノートパソコンを接続して初期設定を行います。
- アウターパイプに蓋をして設置完了です。
- 孔井、そして地盤変動計自体と、周囲の珪砂を安定させるため、設置後から3~4週間を安定期間とし、その間のデータは使用しません。
|
地盤変動計のデータ処理
得られた傾斜データには潮汐などによるノイズが混在しており、直接解析に用いることはできません。当社では、国立天文台水沢観測センターが作成した’BAYTAP-G’というソフトウェアを用いてノイズの除去を行っています。
地盤変動計のデータ解析
データ解析は、順解析と逆解析の両手法で実施し、任意の解析領域における体積歪みを求めます。
解析プログラムは、目的・対象とする地盤に応じて改良を行います。
地盤変動計の利用
- 貯留層の流動性評価
破砕帯に注水を行い、体積歪みを観測することによって、破砕帯の分布を把握することができます。
- 地下構造物の安定性評価
地下構造物の建造前や建造後に、体積歪みを観測することによって、地下構造物の安定性を評価することができます。
- 地盤沈下・隆起の活動性評価
地表部で傾斜の測定を行うので、水準測量データを補間することができます。
|
 |
↓↓↓ 地盤変動計に関する資料ダウンロードはこちらです。↓↓↓
|